開放的な何か。

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「何故?なんで?Why?」 おかしい。俺は別に見られる事を好むドM野郎ではない筈だ。きちんとパンツは履いて来たはず。 ショッキングピンク色のやつを。 ……いや、そんな事はもうどうでもいい、今はとりあえずパンツだ。GIVE ME パンツ。 「おお、居た居た。探したぞい?」 ふと、背後から声をかけられる。 どうやら老人のようだったので安心して息子を振り回しながら振り向く俺。 そこに居たのは初老の男性。 長い白髪に白髭。袈裟のような純白の服を身に纏い…… …背中からこれまた純白の翼を生やした老人だった。 「とりあえず厨二乙といわざるをえない。」 可哀相に。アニメの魅力にのめりこみ、こんな歳になるまでコスプレ三昧とは……哀れな。 「……なんか盛大に誤解されとるのォ……ま、ええんじゃがな、どうでも。」 ため息とともに呆れた視線を送ってくるその老人(なんかむかつく)は、気を取り直すように俺に話し掛けて来た。 「お前、自分の名前は分かるかの?」 それぐらい分かるわ。 俺は幼稚園児か。  
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