My friends

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「先生、健康な中学生は運動するのも勉強ですよ!」 ペンばかり握らせる 体育教師へのメッセージ 伝わってくれれば 体育の授業が 楽しみになる オレは学校を飛びだした 「まったく、ヌマはバカだなぁ」 (運動かぁ...来週からは校庭でも良いか...)ボソッ 小さな声で 呟く体育教師 「バカがもう一人...」 まんまとヌマに はめられた体育教師を横目に 自分の席から 窓から校庭を眺めると ちょうどヌマが走って行くのを 見つけた 昇降口から 校門までありえない 速さで走っていた 「あのバカ!?」 見られたら どうする気よ! 「誰がバカだと!?」 体育教師が反応した アンタに言ってない! 言葉に出す前に 窓側の席で 校庭が見える席の人を 確認した 良かった 見ていなかった 「.........」 だけど 窓側の席じゃない人が 窓にオデコも鼻も くっつけて 校庭を凝視していた それは タツヤという転校生だった 「タっ、タツヤくん?」 「........」 窓から顔を離し 黙ったまま 何かを考えていた 「先生!早退します!」
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