◎◇★※∮$@♪(仮)

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片瀬さんの肩を引っ張ったが 「離して下さい、マコト君!」 「止めくれ、オレはそんなの望んでない!」 「嫌です、止めません!」 肩を掴む手を 振り払らわれてしまった 片瀬さんは 店員に向き直り さらに言葉を続けた 「周りを見れば脅えた顔だらけ」 「そんな毎日を過ごして...居場所が無いんですよ!」 確かに何処にいても 居心地は悪い 「毛嫌されて、距離を取られて、誰も近づこうとしない...」 「可哀想ですよ!」 「見た目だけで判断されて!」 「ホントは優しい人なのに見た目だけで嫌わて...」 そこで一度沈黙が入り 再び口が開いた 「心を見てとは言いません...」 「せめて、客にサービスする店の人間として、怖くても...」 「その恐怖を内にしまって、普通に接してあげて下さい!」 彼女の瞳から 涙が溢れていた 店員は黙って彼女を 見ていた 「片瀬さん...もう良いよ」 「片瀬さんの気持ちは分かったから...ね?」 持っていた 三枚の貴重な紙を カウンターに置いて 気づいた 気付かぬ内に強く握りしめていて クシャクシャになっていた 「すいません、お釣りは今度で...」
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