◎◇★※∮$@♪(仮)

31/66
前へ
/98ページ
次へ
片瀬さんの肩を抱き 店を出た 店の中での多くの視線は 途絶えた タツヤとナホは 既に外に出ていて 待っていた 「片瀬さん...ありがと」 「ヒクッ...グスッ...」 泣いたままの片瀬さん それだけ オレの事を思ってくれてる ナホが何と言おうと 彼女は理解者だ 本当の姿を知らなくても 理解者として認める 「片瀬さん、さっきオレには居場所が無いって言ったよね?」 涙で潤んだ瞳が 見つめてくる 「それはね、違うよ」 「...えっ?」 「オレの居場所は此処にある」 そう居場所はある どんなに居心地が悪い場所にも 居場所はある オレには 居心地が悪いこの街に ナホやタツヤ... そして片瀬さんという 居場所がある 「オレを認めてくれる居場所がある」 「今のオレにはそれだけで充分だ」 「片瀬さん...これからもオレの居場所でいてくれるかい?」 泣き顔は消え 綺麗な笑顔へと変わった 「うん!」 オレの心が この彼女の心に惹かれていくのを 感じた 気のせいではなく 間違いなく 確実に近づいていた
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加