My friends

9/32

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/98ページ
大きな買い物袋を 両手で抱えていた... おつかいの帰りだったらしい タイミングが悪すぎだ あの悪魔と 悪魔化になったオレを バッチリ その目に焼き付いてる事だろう ただ、オレが 泣いてるだけなら いじめられた後... それで済んだだろう だけど ありえない化物と 戦う化物のオレを ハッキリ見ている 何とも言いようがない... 情けなく 涙をポロポロと ダダ流しの目で ナホを見つめていると ゆっくりと 口を開くナホ オレは 何を言われるか分からず 怖くて顔をそらしてしまった だが ナホが発した言葉に オレは驚いた 「大丈夫?」 ただ驚く事しか 出来なかった 目を丸くするオレを どことなしか 心配そうな視線を送るナホ その表情は オレに対する恐怖や 軽蔑は感じられず ただ、一人の泣いた人間を "心配" それいがい 感じとれなかった 「傷が...」 そう言って オレの腕を掴み 公園の端に備えられている 水道まで引っ張られて 肘に大量の水をかけられた 「...っ!?」 水道水の滝から 肘を離すと 徐々に赤い液体が にじみ出てきた
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加