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「さぁ、中に入って」
そう言って高坂先生は、カウンセリングルームの扉を開くと、その中に私を押し込む。
彼が扉の横に付いている小さなプレートをスライドさせると、《空室》だったプレートが《使用中》へと変わる。
それからパタンと扉が閉められ、そしてガチャリと……錠の掛かる音が聞こえた。
その音に何故か私の本能が身の危険を訴え、険しい顔をしたまま彼を見つめる。
……こんな密室で、《ナニ》をされるのか。
そんな考えと共にさっきトイレで彼が垣間見せた……《異常者》の片鱗が頭の中を過る。
しかしその事には決して触れない。
その話題に触れたら……良くない事が起こる。
……そんな気がした。
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