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「ねぇ?何とか言ったら?」
その鈴木さんの問いには答えないまま、ビショビショの髪を絞って見せる。
すると三人の顔が一気に険しくなり、刺す様に鋭い瞳が私に向けられた。
「その余裕ぶってるのがムカつくんだよ」
佐藤さんはそう吐き捨てると、掃除用具入れのモップを取り出し、私の目の前へと突き出した。
しかしそれに怯えはするものの、大して何の反応も見せない私の姿に、三人は小さく舌打ちをする。
冷めた私の態度が彼女達は気に食わないらしく、更に彼女達のイライラを募らせるらしい。
それは分かっていたが、一体どうすればいいのか分からないまま、目の前のモップを見つめる。
「私がもっと綺麗にしてあげるよ」
そう言って佐藤さんは私の身体を汚れたモップでゴシゴシと擦った。
さらに田中さんがバケツで水を掛け、鈴木さんの嬌声の様な笑い声がトイレに響く。
「ひっど~い!そこまでやる~?」
鈴木さんの笑いの籠ったその言葉に、佐藤さんと田中さんはクスクスと笑った。
「私って超、ドSだからさ~!もしかして女王様の素質あったりして~」
そう言って佐藤さんがケラケラと笑った……その時だった。
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