爺ちゃん、ありがとう

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うちの爺ちゃんは 自分で言うのも変だけど すっごい孫思い。 もう『孫、命』って感じなんだww いっつも会う度に お小遣いくれる。 婆ちゃんに見つかったら怒られるから 見つかんないように、いつもこっそりくれてた。 たまに動きが不自然なんだけどねww で、ついこないだ 爺ちゃんが入院した。 ケイツイが損傷してて(原因はわかんないけど) もう首から下が動かなくなった。 当然歩けないし、立つ事もできない。 感覚もわかんないし、 汚い話、漏らしてる事もわかんないくらいになってた。 婆ちゃんも母親も泣いててさ 見てらんなかった。 手術して、何とか上手くいったものの まだ動けなくて、寝たきりの爺ちゃん。 お見舞いに行ったとき、何か違和感だった。 健康が取り柄の爺ちゃんだったのに 今や寝たきりになってて 何かやりきれなかった。 そしたら 「よぉ来てくれたねぇ。すごい嬉しいよ。」 「まあ、そりゃ見舞いくらい来るよー」 「お金に困ってないんね?」 「そんな心配いらんけん、はよ元気なりんさいや?」 「ありがとう、ありがとう。」 「まあ、ぼちぼち帰るわぁ。 看護師さんの言うこと、よぉ聞きんさいね」 「はいはい。 あぁ、そう言えば お婆ちゃんの家に行ったらね、居間にあるテーブルの敷物の下に、あんたの封筒があるけえ、持って帰りんさい」 「わかったよ。 まあ、ゆっくりしんさい」 ってな感じで 病院を出たんだ。 その後婆ちゃん家に行って 爺ちゃんの言ってたこと思い出した。 居間に行って、テーブルクロスをめくったら 白い封筒あった。 これだな、と思って 中を開けたら、 しわくちゃの1000円札が3枚入ってた。 泣きそうになったよ。 爺ちゃんよ、早く治るといいな。
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