128人が本棚に入れています
本棚に追加
「申し訳ないが、CROWSもその薬も全く心当たりがない。他を当たってくれませんか?」
そう言っておれは席を立った。これでこの話はお終い、という意思表示でもある。
「そうですか。また何かわかりましたら、連絡をください」
村上も席を立つ。
おれは返事もせずに村上が部屋から出ていくのを見ていた。
「5年前……あの一家を殺したのはあたし達ってことになってるの?」
村上が玄関から出たのを確認して、理子が言った。
「いや、そうじゃない。そう言って、おれがどんな反応するのか見てやがったのさ」
それどころか、村上は一家を惨殺した側の人間かもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!