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おれと理子は、「CROWS」という窃盗団だった。
窃盗団といっても、盗むものは自分達が欲しい物ではなく、他人からの依頼によるものだ。
金を出してまで盗んで欲しいのだから、それは金目の物ではない場合が多かった。
中にはガラクタ同然のものを盗んできて欲しいという依頼もあったが、それが何に使われるのかは知らないし、興味もない。
ただ依頼のあったものを盗み、その報酬をもらう、それが盗賊「CROWS」だった。
たった一つだけ、ポリシーというか外せない条件があった。それは「殺し」はしないこと。
相手を殺して奪うなんて、スマートじゃない。それなら、誰だってできる。
盗むついでに相手を殺して欲しいとか、邪魔だった場合は殺してもいい、なんて依頼者が言った場合、即座に依頼を断った。
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