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「……血の匂いがする」
理子が言った。
犬並みの嗅覚を持つヴァンパイアが言うのだから、間違いない。
嫌な予感を抱きながら、玄関のドアノブに手をかけた。
開いている?
やはり、すでに先客が忍び込んだ後のようだ。
ドアを開け、玄関から中へ入る。おれは暗視ゴーグルを着けた。
家の中は目茶目茶に荒らされていた。
床には書類が散らばっており、パソコンは無残にも壊されていた。
寝室に入ってみると、そこには首を掻っ切られ、心臓を刃物で一突きにされた研究者夫婦の死体が転がっていた。
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