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「やられたわね」
理子が死体を見ながら言った。
「ああ。おれたち以外にも、データーを狙っている奴がいたってことだな」
おれは、USBメモリーを探しながら言った。やはり、見当をつけた場所にはない。
「どうするの?」
「どうするか……。他にバックアップがあるかもしれないが、この状態じゃ絶望的だな。あとは、盗んだ奴から盗み返すか……ん? 何か聞こえる」
すすり泣くような声が聞こえる。どこからだ?
「ベッドの下のようね」
理子とおれは、ベッドの下を覗いてみた。
ベッドの下には、女の子がクマのぬいぐるみを抱いて泣いていた。
どうやら、研究者夫婦の子供のようだ。見たところ、4、5歳といったところか。
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