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「クロウ! あなた、正気なの?」
「そんなでかい声を出すな。この子が起きるだろ」
アジトのソファーで寝息を立てている沙耶を見ながらおれは言った。
「だって、この子を引き取るって、いきなりどうしたのよ?」
相変わらず理子は興奮している。
「さっき、この子の両親の死体を見て、申し訳なくなったんだ」
「はぁ? 死体を目にしたのなんて初めてじゃないでしょ? それに、あの二人を殺したのはクロウじゃないじゃない」
「ああ、おれは手を下していない。だがな、おれと彼らを殺した人間と、どんな違いがある?」
「……何を言ってるの?」
ここへ来る途中に買ってきた缶コーヒーをすすりながら、おれは話しだした。
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