5年前

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翌日、おれは再び坂崎長官に電話をかけた。 「はい」 昨日と同じように、無愛想な声だ。 「おれだ。昨日の返事を訊きたい」 「いいだろう。取引に応じる」 うまくいった。おそらく、このリストはおれ自身が考えるよりも重要なものなのだろう。 「用意して欲しい戸籍は二人分。おれとおれの娘、5歳の少女の分だ」 「娘? 娘がいるのか? 母親は?」 「母親はいない。離婚でも死別でも、戸籍には好きなように記録しておいてくれ」 「わかった」 「いつ頃できる?」 「一週間はかかる」 「わかった。一週間後にまた電話する。それと、おれを嵌めようと思うなよ? 知ってると思うが、おれの相棒はヴァンパイアだ。もしおれが捕まって刑務所にぶち込まれるようなことがあったら……わかるな?」 「心配しなくていい。こちらが欲しいのはリストであって、お前の身柄ではない」
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