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「って事は……」
「だ、伊達さぁーん!」
口を開いた瞬間、勢い良く扉も開いた。
「宮城くんお帰り。で、どうだった?」
「伊達さんが言ってた通り、あの研究所には使い方によっては人体を死に至らすウィルスがあるそうです」
「それで…」
「普段、数人の研究員の方が細菌を保管している部屋を管理してるのですが…」
「あぁ!まさかその一人が港の焼死体?!」
矢継ぎ早に答えるあすかちゃんに呼吸のタイミングを与えるため、口を挟んだ。
「そうです。それで、管理してた部屋のカードキーはみつからなくて」
「で、伊達さんは2つの事件が関係あると?」
「まだ憶測だけどね」
伊達さんはそう答えて難しい顔をした。
確かに犯行グループは、力が欲しいと言っている。でも…
「ウィルスを盗むとして、わざわざ警察に犯行日を知らせる?」
犯行日は3日後と言っているが、肝心な目的がウィルスなのかどうかは不明である。
当然、警察もただの嫌がらせと判断したのだった。
「ホントに、何にもなかったらいいんだけどね…」
伊達さんだけが少し、眉をしかめて呟いた。
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