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「平助のみならずハジメくんまで…。あとでシメとかないと」
「もぅ!何でそんな危ないこと言うんですか!!仲良くしてください!!」
小夜が沖田をポカポカ叩く。結構な至近距離に怒られているのにも関わらず沖田は嬉しそうだ。ちょっとニヤついている。
山崎がふと視線を動かせば、さっきまで殺る気満々だった殺人未遂者二人が刀から手を離し挙動不審に突っ立っていた。多分「え、俺ら山崎をグシャグシャにしようなんて全然思ってないし?総司だけじゃね?」的なことを表す動作だろう。
この利己主義者どもめッ!!
ひとしきり叩き終えた小夜は沖田から離れて山崎の元へやって来た。何をするのだろうと思いつつも未だに顔が見れない自分が情けない。
それに、小さく苦笑して。憂いを見せたのは一瞬だけで、少女は次の瞬間山崎を後ろに庇いキッと眉を吊り上げて三人を見据えた。
「山崎さんを苛めないでください!!確かに、私はなんで避けられてるのかも分からないですけど……それでもっ私は山崎さんと仲直りしたいんです!邪魔しないでください!!」
破廉恥な夢を見た邪魔者を排除しようとしたら、まさか自分が邪魔だと言われてしまうなんて!三人の胸に巨大な槍が刺さった。
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