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余計なことを…っ!山崎は歯噛みして悔しがる。このまま放っておいたら解決しそうだったのにわざわざ拗らせやがって!!
そうだ、小夜にやめさせるように頼もう。安直な考えでバッと彼女を振り向けば、なぜか山崎でも土方たちでもない寺の片隅を見つめていた。
「……小夜?」
猫でもいたのだろうか。同じように視線を移せば、少女の口からとんでもない言葉が飛び出した。
「……勇さま……行ってきても、いいですか…?」
「は…?」
今、何て言った?小夜は行く気なのかってのも激しく気になるところだが、一番の問題点はその前。
……ここにいない人物の名を呼ばなかったか…?
「やっぱり小夜は気づいてたか」
土方がガシガシと頭を掻く。あーあ、とか言ってる土方派どもの反応を視界の隅に捉えながらも頭が追いつかない。
え、何の話?
一人混乱していたら、小夜が見ていた場所の影から猫とは似ても似つかない厳つい顔がコソッと出てきた。
「……局長!?」
なぜここに。
「いやぁ、小夜には敵わないな。さすがは私の娘だ!」
義理のな、なんて突っ込みを入れる余裕もない。
「山崎くんは全く気づかなかったのにな!」
この、寺で山崎集団惨殺計画☆の裏側に潜んでいた恐ろしい事実に行き着いてしまったから。
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