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「俺バンドなんかできません。それにやる意味もわかりません」
「そこをなんとかお願いします…!」
「文化祭で演奏したいんだよねっ。みんなに俺らの音楽を聴かせたくて!」
文化祭で演奏…、ときいて慧は顔を歪める。
できるだけ目立たないようにしたい慧にとって文化祭で演奏なんて考えられない話だった。
ましてやバンドなんてよくわからないし無理。
慧が拒否するのも、当たり前だった。
「…とにかく俺は無理ですから。他にあたってください」
慧はピシャリと言い放つと鞄を持ってスタスタと音楽室から出ていってしまった。
「俺らあきらめませんから!また明日もきますから!」
背後で声がきこえる。
面倒なことになったな、と慧は眉間に皺を寄せていた。
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