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すると私の目の前に入って来たのはなんと、あのリムジンだった!
あのお金持ちが乗ってるアレ!!
運転手が降りて来て、後部座席のドアを開けると同時に二人が前に出て来て、頭を下げた。
『お早う御座います、お嬢!!』
私(……え、お嬢!?
お嬢ってことはアッチ系!?
イカつい?
怖い?
なにナニ何!?)
嬢「おはよ~☆」
如何にものほほんとした普通の天然そうな女の子が降りてきた。
私(えぇぇぇ……)
男「お嬢、お荷物をお持ち致します」
女「いや、お嬢。
オイラが」
私(……オイラ!?)
男「お前、この前持っただろうが!」
女「ナンパしてたがま口には言われたくないもーん」
男「アレの何処がナンパなんだ」
女「だって女の子に声かけてたしぃ」
男「それだけでナンパになるか!」
女「がま口の顔じゃあねー」
男「黙れぇぇ!」
ヒートアップして行く口喧嘩。
否、喧嘩。
嬢「今日も朝から仲良しだね☆
先行ってるよー♪」
私(この子マイペース!!)
男「やるか…!」
女「やらいでか…!」
男の子は刃渡り10cmはあると思われるナイフを、女の子は小振りな拳銃を胸ポケットから出して来た。
私(銃w刀w法w違w反w(泣))
一触即発のそのとき!
きーんこーんかーんこーん
『あ』
予鈴のチャイムが鳴った。
男の子は目に見えぬ速さでナイフを直して"お嬢ー!"と叫びながら走り去った。
立ち尽くす女の子は小さく呟く。
女「あーぁ、行っちゃった……青春だねぇ☆」
いきなり彼女は私に振り返る。
女「早く行かないと遅刻するけど、遅刻するのが趣味なの?」
私「あ」
こうして私たちの高校生活は幕を開ける――
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