切実に願う

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ギャップとは恐ろしいもので、何でもそつなく器用にこなすような奴に苦手なものがあったりすると可愛く思える。 この亀(ちゃんとした名前は俺が命名したらしいがお構いなしだ。)もそうで、咄嗟の嘘に(不本意だが)助けられたこともあるし、ピアノやら生け花やらもできる・・・が、料理は壊滅的。 本人曰く、「料理なんてのは勘だよ。今回はちょっと鈍っただけ」とのことだが、それが毎回ともなると、その言い訳もだんだんと涙目になって可哀想になってくる。(本当に可哀想なのは主な被害者である俺の筈だ。) 先日、遂にナオミから立ち入り禁止令を出され、俺たち、被害者の会のメンバー(熊、小僧、良太郎、ハナ・・・オーナーまでも。)が喜んだのは言うまでもない。 しかし、この現状。 「なにしてんだ、お前。」 「えー?いや、今日ナオミちゃんいないから・・・鬼の居ぬ間に洗濯ってやつ?」 (碌なこと考えねぇ!!) だが、まぁ手にしているのは市販のホットケーキミックスだ。まさか、シチューっぽいものになるという漫画的な展開はないだろう。と、横を見れば既にできあがったものが・・・
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