鬼と呼ばれた少女

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「それがきっかけに、幻想郷に被害が及ぶ可能性すらあるわ」 「そんな、紫さまの術が外の人間ごときに破られるなんてことは……」 藍は半信半疑に返すが、紫は真面目だ。 「人間は少しのきっかけで思いがけないことをする時があるわ。念には念を……ってやつよ」 紫はそう言うと隙間の中に消えていった。 藍は静かに頭を下げると、家に戻った。 …………… 数刻後 汀はアパートに来ていた。 大家であるお婆さんに部屋を開けてもらい、中に入った汀は窓を開けて外を見た。日は傾き始め、さんさんと輝く太陽は、紅く変わり始めていた。 「ここが私の新しい居場所か……」 汀は大きく伸びをした。前屈をし、背中をそらして玄関を見ると、そこには先ほど声をかけてきた日傘の女性が立っていた。 「うわ!?」 汀は声をあげ、そのまま倒れ込んだ。 「ごきげんよう……」 「な、何よあんた!!」 汀は部屋の隅で叫んだ。 「静かにして貰えないかしら?悪いようにはしないわ、少し、貴女と話がしたいだけよ……」 女性はそう言うと日傘を閉じた。
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