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エンヤは、あたしの話をちゃんと聞いてくれた。
まさか、聞いてくれるとは思わなかったから、びっくりしたけど、うれしかった。
「エンヤ、ありがと」
「気持ちわっる。堀内からのその言葉は、なんかやだなー」
「うそだっ!嬉しいくせに」
「半嬉しい」
「半?何それっ。ふふっ。へん」
「笑うなーっ!!」
エンヤ、かわいい。
よし!
なんか立ち直った!
「おーいエンヤぁ~。授業始まんぞ。」
「ぉう。今行くー!!」
「誰だっけ。あの人?」
なんっか、どこかで見たような気がするんだよね。初めての顔ぢゃないな、あれは。
「あいつ?目覚まし」
「目覚ましー?」
「だからっ、俺さ授業前ギリギリまでいつも寝てっから、人間目覚まし的なやつ!目覚まし待たせっと、ピピピってうっせぇから、行くわ。………っ頑張れよ」
目覚ましって。
かわいそう。
エンヤはそう言って、
屋上を去った。
あたし、エンヤに救われた。
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