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「へぇ、義之たちは劇をやるのか」
雪と、桜の花弁が舞う今日この頃。クリスマスパーティー略してクリパまで残り一週間となっていた。黎明達は音姫が作った夕飯の鍋に舌鼓を打ちつつ、クリパのことを話していた
「そうなんだよ。全く、なんでこの歳になってまで人形劇なんてやらなきゃあかんのだ。しかも主役だし」
「え、弟くん主役なの!?」
「ん、おう。一応」
「すごいじゃない!お姉ちゃん絶対見に行くね!」
「へ?い、いや来なくてもいいよ」
「お姉ちゃん絶対見に行くね!」
「いやだから…」
「お姉ちゃん絶対見に行くね!」
「……分かった」
渋々、といった感じで義之が折れる。まぁ、音姫には適うまい
「お兄ちゃん絶対見に行くね」
「そんな棒読みかつ無表情で言われたら逆に怖いわ!」
「む、そうか。…お兄ちゃん絶対見に行くね」
と言った同時に笑顔になる黎明。
「はい私死んだー!!」
ばたーん!と後ろに倒れた由夢。その頬は赤く染まり、くねくねと身悶えしている
「どぅえええ!?どうした由夢!?」
「いやいやあの笑顔反則でしょ卑怯でしょ普段無表情だからギャップ萌えヤバいでしょ爽やかすぎるでしょ死ねるでしょ一片の悔い無しとか言えちゃうでしょしょしょょょ」
「由夢が壊れた!?黎兄ぃどうしてくれんだ!」
「義之、いくら音姫がなびかないとは言えいきなり鞍替えするのはどうかと思う」
「ななななな何言ってんだ!?そもそも原因俺じゃねえ!あんただ!」
「UNDER?」
「あ・ん・た!」
「皆、そろそろ静かに食べないと…お姉ちゃん、怒っちゃうぞー?」
「さぁたべようじゃないかおとうとたちよ」
「あぁそうだねうわぁおいしいなぁこのたまご」
「ほんとですねこのだいこんもなかなかですよ」
そうして、音姫のプレッシャーにより冷や汗だらだら流しながら夕食は進んでいった
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