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「どうして……?
実らない恋なんでしょ?
なら何にも言わないで、このまま結衣と付き合ってたって良かったじゃない!」
結衣は首を何度も横に振りながら、必死に俺を繋ぎ止めようとする。
「結衣……お前はまだ若いし、充分可愛い
今ならすぐ新しい彼氏も出来て、お前だけを愛してくれる人が見つかるはずだ
俺は……結衣とこの先付き合ったとしても、結婚する気はないし、お前だけを見ることが出来ない
他の女を見てるやつと付き合ってたって結衣が傷つくだけなんだよ」
優しく諭すようにそう言ったつもりだったけど、結衣は納得しようとしない。
「わかんない……わかんないよ……」
そう言い続ける結衣に、俺は心を鬼にしてもう一度気持ちを伝えた。
「ごめん……結衣……
俺が全部悪いんだ
他に好きな人がいながら、結衣と付き合えるほど器用じゃない
ほんとに……ごめん……」
泣き崩れる結衣に、俺はそれしか言えずに、いつまでも謝り続けることしか出来なかった。
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