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そいつは、あの芋女だった。
俺は芋女と気づきまじまじと見つめる。
とくんっ
……え?なんだよ今の……まさか!俺が?!芋女に?!いやいや…ないない!あの芋女だぞ?!やべぇよやべぇ…なんだよ今の"とくんっ"て…とゆーか、あんなにアイツ綺麗だったか?!なんなんだよ俺!しっかりしろよ俺!なんか…「あんたなにしてんの?」
「え?」
突然聞こえた声に振り返ると、そこにはさっきまで階段の下で座っていた芋女がすぐ後ろにいた。
「っ!?」
俺は慌てて冷静を保つ。
「なに1人芝居してんの?」
芋女は呆れたような顔つきで俺に告げる。
「っいや…。おまえこそ何してんだよ」
「…別に…ただボーッとしてただけ」
そう言った芋女は、また外を眺める。さきほどと同じようにどこか切ない表情で…。俺の気のせいかもしれないが、いつもの様子ではない。なんというか元気がない。
「…おまえ、今日は睨まねぇの?」
外に向けていた視線を俺に向ける。
「なにそれ。あたしそんな睨んでたっけ?」
芋女は不機嫌そうな顔になる。
「いや、いっつも睨んでたから。すっげー顔して」
「あっそ」
芋女はまた外を見る。
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