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「あたしね、今までの関係崩したくなかったから告白しなかったんだ。けど、それでも告げようって思って告げたの。でも結果だめだったから、気まずくなるんだ…もう一緒に笑って話せないのかな…って思ってきたらそっちの方が辛くて……。でもその人は違った。次の日も普通に、いつもどうり接してくれた。周りにとって、それはただの同情だろって思うと思う。でも同情でもなんでも、あたしはそれで良かった。嬉しかった、またこうやって笑って話せてって。それから卒業して、そっから今では友達のふりしてるの。もう壊したくない、次壊したらもう戻ることはないなって思うから……でもねっ………」
途中で芋女の声が止まった。
俺は何気なく芋女を見た。
芋女の切ない顔の頬に、一筋の雫がつたう。
…っ!
大きい目からは次から次へと涙が溢れでていた。
俺に見られたくないのか芋女は顔を両手で隠した。
「っ……その人にねっ……か…彼女が出来たんだって…」
芋女の顔から、覆っていた両手の隙間から涙が溢れていた。
俺はそんな姿に目を奪われる。
この時俺は思ったんだ。
こいつが本気だということ、と…こいつは芋女じゃなくただの"女"なんだと…。
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