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「……………」
俺は何も声をかけられず、ただ芋女を見つめていた。不思議な感覚で……。
しばらくして芋女は泣いていた涙を拭き、顔を上げた。
「……やっぱり、もう諦めた方がいいよね…」
芋女は寂しそうに笑う。
「……別に諦めることねぇだろ」
「…え?」
俺は目を見開く芋女から視線空を戻す。
「なんで好きなのに諦めなきゃいけねぇーんだよ。誰が誰を好きになったっていいだろ。そいつに好きなやつができてもおまえが好きでいてなにが悪ぃんだよ。好きなやつを好きって言ってなにがいけねぇんだよ。なにが悪いことなんだよ?」
「………」
芋女は横から俺を見つめる。
「好きなら好きでいればいい。気が済むまでとことん好きでいろよ。そいつの彼女に負けねぇくらい好きでいろよ」
俺は少し微笑みながら空から芋女に目を向ける。
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