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俺はその時丁度、腹が空きすぎてイライラしていた。
「あ゛~!人多すぎ!うぜぇ!」
食堂付近を見ると、人だかりでいっぱいだった。
「うわっ!おい、早く行こうぜ!」
そう言って功が走り出す。俺も走り出したその時―
どんっ!
バサバサッ
誰かがぶつかって来た。
「…ってーな」
俺はそう呟いてぶつかった奴を睨んだ。
見るとそこには、ぶつかった拍子に落ちたポテトを唖然と見ていた女がいた。
「ッチ。どこ見て歩いてんだよ」
そう言い俺は歩き出した。が、
「……あたしのポテト」
女が俺の背中越しに呟いた。
俺は更にイライラが増す。
「は?んなもん知るか!」
そう振り返った時、
「…………まれ」
女は俯いたまま呟く。
「あ?」
「謝れっつってんだよ糞ガキッ!!」
………は?糞ガキって………。
そう言う女の顔を見みると、物凄い顔つきで俺を睨んでいた。上靴の色をよく見ると青。どうやら2年らしい。俺達の学校は3つの色に分かれている。3年が赤、2年は青。そして俺達1年が緑。
ガキっつってもたかが1つ下なだけだろ。
と、思いつつもそいつに向かい直す。
「ポテトくらいでうるせぇ女だな」
「なっ!?ポテトくらいって…!あんたねぇ!あたしがどれだけこのスペシャルS学ポテトを手に入れたと思ってんのよ!!毎日毎日人混みに流されて…踏まれて押し潰されて…やっと手に入れたと思ったら…こーんな偉そうな糞ガキのせいでこの様!どーしてくれんのよ!!」
なんだ……こいつ。
たかがポテトのためにそこまで……
「…プッ!バッカじゃねぇの?たかがポテトごときにムキになりやがって。だいたいおまえがぶつかってきたんだろ」
俺は半笑いで女に言う。
「あたしにとってポテトはポテトごときじゃねぇんだよ!いいから早く謝れ!!」
バサッ
そう言って女は紙コップに入った残ったポテトを俺にかけた。
ブチッ
「っなにすんだこの糞女!!」
俺は女に殴りかかった。
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