第2章 麻美

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正直 顔も見たことのない女に惹かれる…なんてことはないと思っていた。 けど麻美との電話のやり取りで気持ちが軽くなり 救われていたのは事実… 顔はわからないが 俺は麻美という人間が好きになっていたんだと思う。 麻美は自由登校に入り 茨城のエスカレーター式の大学に進学が決まっていた。 その頃の俺は 某飲料会社内での窃盗事件の犯人に仕立てあげられ 無罪を主張するも 何回言っても茶髪を直さないからと訳のわからない理由で却下され 怒った俺は 会社の所長室で大暴れをし そのまま摘み出され解雇された。 経理のマネージャーから出口で 「餞別をやるから待っていろ」と言われ 退職金が出るのかと思ったが 段ボールに包まれた缶ジュース 1ダースだった 怒った俺は 缶ジュースをマネージャーや止めにきた社員 所長にぶつけて逃げた。 そして俺は無職になったのである
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