英国紳士

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 学校が終わり、少女は家路を辿っていた。 頭の中を真っ白にし、ただ足を動かしているだけ、道は体が覚えている。といった感じで少女はひたすら歩を進めていた。 声をかけられるまでは。 「ちょっといいですか?そこのお嬢さん」 男の声に引き止められ、少女は足を止める。 「はい、なんでしょうか?」 内心面倒臭いと思いながら、振り向き、少し驚く。 少女を引き止めたのは、スラッとした長身の白人男性だったのだ。 「ここに行きたいのですが、迷ってしまって……よかったら教えてくれませんか?」 流暢な日本語で白人男性は言葉を紡ぎ、少女に一枚の紙を渡した。 少女は紙を受け取ると、「あぁ」と声を漏らす。 「ここ丁度通るので、一緒に行きましょうか?」 言葉でいうより早いと思って、少女はニコやかに白人男性にそう言う。すると、白人男性は安心したように息を吐くと、「ありがとうございます」と言って、歩き出す少女について行った。
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