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「あの、どこの国の方なんですか?日本じゃありませんよね。」
「イギリスから来ました。にほんで硝子細工店を開く予定です。」
少女の質問に白人男性は笑って答える、いや、笑っているように見えるだけで、実際は糸目なだけだった。
しばらけ歩き、少女と白人男性は大通りに出た。
「あそこが、この住所の所です。」
少女は、道路を挟んで向かい側にある建物を指差し、白人男性を見た。
「助かりました、ありがとうございます。たいしたものではありませんが、お礼にどうぞ。」
そう言って、白人男性は少女の手を取り、包みを乗せた。
「私の国のお菓子です。お口に合うか分かりませんが、食べてみてください。それでは本当にありがとうございました。」
頭を下げるて、少女から離れ、白人男性は向かい側の建物へと姿を消した。
「イギリスのお菓子かぁ…美味しいのかしら?」
ぽつりと包みを見つめながら、呟く。
「そろそろ帰らなきゃ。」
時計を見て軽く息を吐くと、少女は家路をまた歩き出した。
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