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世界二大都市、ルヴィアとサリュナの争いは二十年程前に協定という形で突然に終結を迎えることになる。お互い百年以上も牽制と衝突を行い、大地は荒野に成れ果て、緑は紅き炎に包まれ、そして周囲の国々を巻き込み最低数百万の死者を出した争いを終らせた原因。
それは影の出現だった。夕闇から闇夜に掛けて世界を徘徊する負の住人、シャドウ。彼等は戦争に出向いた兵士を無差別に襲い闇に引きずり込む。こうなれば人間同士で矛先を向け合っている場合ではないことは明白であり、被害者数が千を越えたところで二国の重役がようやく重い腰を上げる事態となった。
世界平和。まさに相応しい言葉である。世界を叉に掛けた二方が協力関係になったとあらば人々の願う全抗争の消失、及び今後の生活の保証に大幅な進展を見せることになるだろう。
だが、一方で喜ばない者もいる。『戦争屋』、『傭兵集団』。彼等は戦うことに存在意義を見出だし生きる存在。その大多数が親を殺された孤児であり、多くがその恨みを晴らせずに、志半ば戦争は終結を辿った。
これは青年が歩む一つの道。
一国の姫が辿る一つの命運。
二人が結ぶは『騎士契約』。
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