281人が本棚に入れています
本棚に追加
互いのイクリプスが絡み合い、やがて目標を見失って弾けた。
「ダインスレイヴなしで、ここまでやるとは……」
完全に互角だった。
そして次の手をお互いに読み合う中、来訪者が現れた。
「――退却命令だ、メビウス」
「ルートか……」
どうやら今回も決着はつけられないらしい。
とは言っても、いくら私でも一人でメビウスとルートを同時に相手したくない。
あちらが退いてくれるならそれに越したことはない。
「だが、抹消対象をまだ消していない」
「今は捨て置け、だとよ」
「………」
渋々とメビウスが構えを解いた。
「決着はまた持ち越しだ。精々首を洗って、その時を待っているがいい、グレイサー」
向こうの考えはわからないが、ここを切り抜けたことに変わりはない。
「――宿に戻ろう、アイリス」
.
最初のコメントを投稿しよう!