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その後のカジノは、一言で言うなら“壮絶”だった。
入ってきて早々「運試し」と、私はスロットマシンを回した。
絵柄は揃ったものの、ベルと微妙。
どうも納得いかなかったから、グレイサーにも運試しをさせたわけよ。
それが始まりだった。
一発でスリー7をたたき出し、チップがわんさか出てきた。
「これが噂に聞く“ビギナーズ・ラック”……」
レバーを引くだけのスロットマシンはつまらないと、次に向かった先はドローポーカーのテーブル。
結果は言わずもがな。
そして並みのディーラーでは相手にならないと、カジノ側が打ってきた手は……
――伝説のディーラーだ!
――まさか本物に出会えるなんて!
そんな賞賛の声を背景に、あの方が現れた。
「やっぱり君か、グレイサー」
「……マーシー」
白翼族の長、マーシー・ルヴァッソールその人だった。
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