Second Day

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闘技場に向かうと、すでに大勢の人間がつめかけていた。 「機嫌悪いみたいだけど、どうしたの?」 「別にそなたのせいではない」 開幕まで時間はまだあるというのに、この人だかり。 忙しいことだ。 だが、目下一番に気に入らないのはそんなことではない。 人間より聴覚がいいせいで、聞こえてしまった耳障りな声。 「おい、見ろよ……」 「ああ」 その発生源から向けられている視線の先にはアイリスが。 (ちらちら、チラチラと!) アイリスに視線を向ける男共が気に食わん! 元王国の王女だったせいか、本人はまったく気に留めていないようだが。 アイリスはそこらの人間より強いし、万が一はないとは思うが…… 試合中に誰かに絡まれている姿など、見たくもない。 しかも今の私は魔術が使えない状態だ。 遠距離の牽制などできるはずもない。 そんな状況で、アイリスを一人で観客席に向かわせるなど、断じて認められん!
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