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対戦相手は軽そうな相手だった。
「なあ!アンタがつれてきた女、やたら美人だけど、アンタの何?」
「私の妻だ。言っておくが、貴様のような奴が手に負える相手ではない」
「はっ!言ってくれるねえ……」
ただの人間にアイリスが御せるなら、彼女の実の父である国王も苦労しない。
あの型破りな性格も魔力も魔族内なら許容範囲だ。
「ま、いい試合をしようぜ」
すたすたとリングに歩いていくそいつに、好印象は持てなかった。
(いつの時代にもいるものだな。あのような愚か者は……)
奴の目に潜む狂気を見逃す私ではない。
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