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『これはすごい!トレイル選手、グラシエール選手の攻撃を剣で受け止めた!』
『今トーナメント初ですね』
『その通りですっ!彼はこれまでの試合で、一度も剣を抜くことなく、弓だけで勝ち上がってきました』
まあ、確かにあの弓の腕は油断すると危ないな。
剣の方も侮れない。
勝てないとは思わないが。
「やっぱり弓だけじゃ無理だったか」
「自意識過剰はほどほどにしておくことを勧める」
「言ってくれる、ねっ!!」
私の剣をはじくあたり、それなりに剣は使えるようだ。
バックステップで一度間合いぎりぎりまで下がる。
そこまでは問題はなかったんだが……
――カッコウ!カッコウ!
よりにもよって、こんな時にアラームがっ!
『おっとグラシエール選手、どうしてアラームなんて持ち歩いているのか!?』
「必要だからに決まっている!」とは叫べない。
それより、あと6分以内で片をつけろと言うのか?
(……魔力が使えるならまだしも、この状態でか?)
本来の姿に戻るまで、あと6分を切った――
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