Second Day

20/23
前へ
/117ページ
次へ
  ◇◆◇ どうにもこうにも、やはり6分でケリをつけるのは無理らしい。 (どうする?) 降参、というのも手ではある。 しかし独断でそれはできない。 とりあえずアイリスの方を見やると…… 観客席に彼女はいなかった。 (まさか……) そう考えた瞬間だった。 「余所見している場合か?」 「そういう場合だ」 「何……!?」 私の意外な言葉に、ようやく周囲の変化に気づいたらしい。 『おおっと!?突如、霧が出てきました!しかも、だんだん濃くなってきているぞーっ!?』 『これは魔力によるものですね。少し濃すぎますが、そう長くは続かないでしょう』 場内待機のアナウンスが流れる。 その間に、霧は一気に闘技場全域を包み込んだ。 「くそっ、視界ゼロだ!」 ぶつかり合いの戦いも、これでは不可能だ。 だが、こちらとしては助かった。 .
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

281人が本棚に入れています
本棚に追加