Second Day

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  ◇◆◇ 霧が晴れ、元の青空が広がっていく。  カラン……ッ………… 握りしめていた杖が、虚しく地に転がった。 「なんとか、なった……」 安心して腰が抜けた。 けれど、自分の魔力はほとんどスッカラカン。 使えたとしても、明かりの魔法が限界。 「さすがに、疲れたわね……」 身体が重い。 まさに精も根も尽きた感じだ。 『――――ぞ、グラシエール選手……』 もう、司会と解説を聞き取る集中力も残ってないらしい。 歓声でさえ、遠くのように聞こえる。 おちおち腰を抜かしている場合ではないが…… そう簡単に身体は思い通りに動くはずもなく。 「少しだけ、休憩させて……」 入り口近くの壁を背もたれに、座り込むのが精一杯だった。
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