Third Day

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  ◇◆◇ 試合が終わった後、私はアイリスの回収に屋上へ向かおうとした。 が。 よりにもよって、アイリスを抱き上げた体勢でアイツがやって来ていた。 「大活躍だね、グレイサー」 「マーシー……」 千年来の腐れ縁にして我が親友。 白翼族の長、マーシー・ルヴァッソール。 「事後処理は一応しておいたけど、彼女も無理をするねぇ」 「……私のせいだ」 「自分を責めるのはキミの悪い癖だね」 「………」 そうは言われても、私の迂闊さがこの事態を招いたのは事実だ。 時間配分を疎かにしなければ…… 対戦相手のレベルに合わせて手加減をしていなければ…… こんなことにはならなかった。 「とりあえず……はい」 「あ、ああ」 差し出されたアイリスを受け取ると、その軽さに驚いた。 もちろん人間としてそれなりにはある。 だが、少し軽すぎる気が…… いやしかし、これはこれで…… 「いつまでつまらないシンキングタイムを続ける気だい?」 「!!」 鋭い視線が全てを物語っていた。 病人相手に何を考えているんだ、と。 (一応、やましい考えではないと思う) もう少し全体的に肉付きのいい方が、抱き心地がいいかと…… 断じてそれだけだ。 「……アイリスに体重について何か言ったら、問答無用で上級魔法が飛んでくるよ」 「…………」 ――それは、とても簡単かつリアルに想像できるシーンだった。
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