Third Day

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  ◇◆◇ 準決勝戦は特に問題もなく、勝ち進んだ。 「……余裕そうだな」 「アルフレッドか。次はお前の試合だろう?」 「問題ないさ。決勝で会おう」 颯爽と去っていくアルフレッドの背中を見送ることなく、私は控え室に戻った。 (自信に満ちているのは結構だが……) 私は優勝してはならない。 たとえ自分のプライドを捨てることになろうとも。 たとえアルフレッドのプライドを傷つけようとも。 それだけは、守らなければならない。 勇者に勝たないことが、魔族と人間の共存条件だ。 そのルールがなければ、魔族と人間の間で大戦争が勃発していただろう。 気にしすぎかもしれない。 だが、いくら王国のトップを巻き込んだといっても、あくまで被害が最小だっただけだ。 魔族と人間の関係が良好になったわけではない。 私は大局を優先しなければならないのだ。 だが―― アイリスは納得してくれるだろうか?
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