Third Day

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あらゆる攻撃パターンを受けて返し続けた。 どれくらいの時間が経ったのだろう。 『アルフレッド選手の激しい攻撃!グラシエール選手は防御するのが精一杯だ!』 そう…… 一見、アルフレッドが優勢に見えるこの試合。 「なんて、タフさだっ!?」 奴からすれば、私が倒れないことに恐怖を感じているだろう。 攻め疲れてきている。 (頃合いだな……) アルフレッドの剣を完全に受け止めた。 そこからすり抜けるように奴の左胴を浅く打ち込む。 ……と、同時に。 奴にだけ聞こえるように小声でささやいた。 「優勝賞金さえくれれば負けてもいいぞ」 「!?」 さあ、正念場だ。
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