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――カツッ、コツンッ……
足音がだんだんこちらに近づいてくる。
(このまま丸腰で出会うわけには!)
杖は私を見張る男の側にある。
悠長に迷っている暇はない。
「―――ウィンドカッター!」
「何ぃっ!?」
風の刃が私の手足を縛る縄を切断した。
「グラビティ!」
間髪入れずに見張りに重力系の魔法をかけ、動きを封じた。
その間に杖を取り戻す。
「ごめんあそばせ。ライトニング!!」
「ひぎゃあぁぁぁっ!?」
見張りを完全に気絶させ、私を止めるものは完全になくなった。
あとは……
ここを乗り切る覚悟だけ。
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