Third Day

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  ◇◆◇ 奴の存在を目視した時、一瞬ひやりとした。 「グレイサー、その姿は……」 「マーシーに事後処理を頼んである。今はここを切り抜けるぞ」 「我を相手にぬけぬけと言ってくれるな」 どうやら見逃してくれないらしい。 この石頭め。 「……知り合いなの?」 「奴の名はメビウス。人間と魔族の仲をこじらせた一人で、要は敵だ」 だが、全てを説明している暇はない。 メビウスの魔力は、属性も強さも私とほぼ同じ。 それ故に1000年前、決着をつけられなかった。 そんな相手だ。 中和剤を使って元に戻るしかなかった。 「何故その女を庇う?」 「貴様にはわからないさ。任務に従うことしかできない貴様にはな」 腰にさしていた剣を抜き、メビウスと対峙した。
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