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◇◆◇
奴の存在を目視した時、一瞬ひやりとした。
「グレイサー、その姿は……」
「マーシーに事後処理を頼んである。今はここを切り抜けるぞ」
「我を相手にぬけぬけと言ってくれるな」
どうやら見逃してくれないらしい。
この石頭め。
「……知り合いなの?」
「奴の名はメビウス。人間と魔族の仲をこじらせた一人で、要は敵だ」
だが、全てを説明している暇はない。
メビウスの魔力は、属性も強さも私とほぼ同じ。
それ故に1000年前、決着をつけられなかった。
そんな相手だ。
中和剤を使って元に戻るしかなかった。
「何故その女を庇う?」
「貴様にはわからないさ。任務に従うことしかできない貴様にはな」
腰にさしていた剣を抜き、メビウスと対峙した。
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