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「その剣……魔剣ダインスレイヴではないな」
「だったらどうした?」
「そんな装備で我に勝てると本気で思っているのか?」
痛いところをついてくれる。
この剣としては十分良い品だが、魔術の媒介としては役不足だ。
しかし……
「自分の妻を置いて逃げるような腑抜けになるつもりはない」
メビウスの目が一瞬揺れた。
何か思うところがあるのだろう。
もっとも、自分の感情より任務を取る奴だ。
「――ならば1000年前の決着、今ここでつけてやろう」
杖を取り出し、本気で私と戦う体勢に入った。
「ダインスレイヴを手放したこと、とくと後悔するといい」
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