貴方へ

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最後のホームルームも終わった。泣いている子や、笑っている子。さらには、興奮して騒いでいる子。沢山の想いが溢れている教室を抜け出した。そして廊下を歩いていると、壁に写真が貼ってあるのに気付いた。入学式、勉強合宿、体育祭、学園祭…みんな良い表情で写っていた。ふと一枚の写真に気付いた。 彼と私はのツーショット。しかも、彼は純白のドレスを、私は王子様の格好をして写っていた。このときの彼は可愛かったな ・・・なんて本人には言えないな、と思いつつ苦笑。写真に写っている彼は、しかめっ面をしながらも頬は紅潮していた。 やっぱり可愛いな、とまた思い苦笑。 そんな色とりどりの思い出と共に歩いていく。長かったようで短かった三年間、踏みしめて歩いていく。 そんな私の思い出にいたのは私の初めての親友たちと彼の友達と・・彼。再確認、そんな言葉と共に言いようの無い感覚にとらわれた。この感覚―この感情を彼に伝えたい、彼に知って欲しい。気づけば私は走り出していた。 周りの流れに逆らい、階段をかけていく。一段、二段。あそこで待っているなんて約束してない、けれどもあそこに行けば彼が待っている・・そんな確信にも似たことを胸に、屋上に向かっていた。
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