死惑いバラッド

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 今日も今日とて世界は廻る。  いつか、止まる日が来るまで。  それまではたとえプロレスラーが百人掛かりでも止められないだろうし、然しものサスペンスドラマの帝王たるかの人物でも引き留めるのは難しいだろう。  世界は廻る。こんな当たり前のことを、僕はいつだって真摯に考えている。 「―――で、結局梶山クンは何が言いたいのかなぁ?」  こめかみを神経質そうにピクピクさせているこの麗しい女性は、何を隠そう我らが担任教諭、名を柊智美という。  今は柊女史による現代社会の授業中であり、彼女は今、大変憤慨している。  理由は――― 「キミはいっつもヒトの授業中に惰眠を貪って! 有り難い知識を享受しようという気概がまったく見られないわ!」 「有り難いかは別として、確かに僕にその気概とやらはまったく見られないですね。自分で言うのもなんですが」 「……っ。そう……今日という今日は、と思っていたけれど気が変わったわ」 「如何に?」 「一発殴らせろ!」 「うわっ、ちょ―――」  と、いった具合に、生徒が寝ていたから、という理由で憤慨し挙げ句暴力を振るおうというのである。まったく、遺憾である。
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