第3話「ブラックボックス」
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現実を認めたくない臆病な自分がそこにいた。 本当はすごく聞きたいけれど、聞けないことって、実はたくさんある。 そんなあれこれを自分の中のブラックボックスにしまい込んで、 なかったことにして生きていく。 人は大人になるごとに、 そんなブラックボックスが、一つまたひとつと増えていくのかもしれないと、 会社のビルのエントランスを小走りに駆け抜けながら、恭子は思った…。
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