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(そもそも闇属性に耐性があること自体おかしい)
闇属性に耐性があるのは魔族だけだというのが通説だ。
それなのに目の前の男から感じる魔力は、明らかに闇に属するもの。
(……帰ったら親父に問いただすか)
クレドと男の動きをよく観察し、タイミングを見計らう。
「――ティルト!」
「ちっ……無属性魔法か」
「よほど物理攻撃に強くない限り、これは防げないだろう」
しかし、ダメージを与えたといっても微量。
精々クレドのサポート程度にしか働いていない。
「――だったらまずは、そのうざったい後衛に黙ってもらおうか!」
「ジェイドっ!」
強引にクレドを突破した男がジェイドを潰しにかかってきた。
――ガキィッ!!
「へぇ……グレイサーの部下にしては意外にやるじゃねぇか」
「ジェイドは魔王様の息子だ!そんじょそこらの魔族と一緒にするな!」
「!グレイサーの息子……」
「バカ!敵に正体をさらしてどうする!?」
薙刀で応戦するが、近接戦闘が不得手のジェイドには荷が重い。
(せめて、マトモに通用する魔法が使えれば……っ)
ギリ、と奥歯を噛み締める。
すると……
――トクン……
背負っていた魔剣ダインスレイヴから鼓動を感じた。
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