Act.0 魔王の息子

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(そもそも闇属性に耐性があること自体おかしい) 闇属性に耐性があるのは魔族だけだというのが通説だ。 それなのに目の前の男から感じる魔力は、明らかに闇に属するもの。 (……帰ったら親父に問いただすか) クレドと男の動きをよく観察し、タイミングを見計らう。 「――ティルト!」 「ちっ……無属性魔法か」 「よほど物理攻撃に強くない限り、これは防げないだろう」 しかし、ダメージを与えたといっても微量。 精々クレドのサポート程度にしか働いていない。 「――だったらまずは、そのうざったい後衛に黙ってもらおうか!」 「ジェイドっ!」 強引にクレドを突破した男がジェイドを潰しにかかってきた。  ――ガキィッ!! 「へぇ……グレイサーの部下にしては意外にやるじゃねぇか」 「ジェイドは魔王様の息子だ!そんじょそこらの魔族と一緒にするな!」 「!グレイサーの息子……」 「バカ!敵に正体をさらしてどうする!?」 薙刀で応戦するが、近接戦闘が不得手のジェイドには荷が重い。 (せめて、マトモに通用する魔法が使えれば……っ) ギリ、と奥歯を噛み締める。 すると……  ――トクン…… 背負っていた魔剣ダインスレイヴから鼓動を感じた。
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