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「大丈夫、ジェイド?」
「それより、ここはどこだ?」
先程とほとんど変わらない景色だが、空気だけが違った。
明らかに何かいる。
「多分、場所自体は移動してないよ。位相がズレただけだと思う」
「ということは時空封印か。そんなにヤバイのか?親父の剣は」
時空封印。
時間と空間から切り離すことで、封印対象を半永久的に閉じ込める最も厳重な封印だ。
常識的に考えて、剣1本に対して行うものではない。
「800年前に使われたのが最後ってことしか僕も知らないよ」
「魔人戦争か」
歴史上最大の被害を出した人間と魔族の戦争。
それ以上のことをジェイドは知らない。
当事者であるグレイサーにこの話を持ち出したことはあるが、決して教えてはくれなかった。
(とにかく今は剣の回収が先だ)
気配のする方へと二人は歩き始めた。
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